フィギュアスケートの「りくりゅう」ペアで世界トップレベルの活躍を続ける
木原龍一選手。
報道や写真などでも触れられることがありますが、木原選手には左目の内斜視の傾向があると言われています。
一般的には
- 斜視がある
- 両眼での立体視が弱い可能性がある
と聞くと、「スポーツでは不利なのでは?」と感じる方もいるかもしれません。
しかし視覚や身体の研究の視点から見ると、
必ずしもそうとは限らない可能性もあります。
今回は「内斜視」と「身体の空間感覚」という視点から、
フィギュアスケートの強さの秘密を少しだけ紐解いてみたいと思います。

斜視とは?内斜視・外斜視の違い
斜視(しゃし)とは、
片方の目は正面を向いているのに、
もう片方の目が別の方向を向いている状態をいいます。
主な原因には
- 目を動かす筋肉のバランス
- 神経の働き
- 遠視などの屈折異常
- 脳の視覚処理
などがあります。
斜視にはいくつか種類があります。
- 内斜視:目が内側に寄る
- 外斜視:目が外側に向く
- 上下斜視:上下方向にずれる
特に子どもの場合、視力の発達や立体視(奥行き感覚)に影響する可能性があるため、早期の検査が大切だと言われています。
立体視とは?人はどうやって奥行きを見ているのか
私たちは左右の目で、少し違う映像を見ています。
この「わずかなズレ」を脳が統合することで、
奥行きを感じることができます。
これを
両眼立体視(ステレオ視)
と呼びます。
つまり、
- 右目の映像
- 左目の映像
この2つを脳が合わせることで、
三次元の世界を感じているのです。

内斜視があると立体視はどうなる?
もし片方の目が内側を向く内斜視がある場合、
左右の映像をきれいに重ねることが難しくなることがあります。
その結果、脳は適応として
- 片方の映像を抑制する
- 片目優位で処理する
といった方法を取ることがあります。
そのため、
両眼での立体視が弱くなる可能性
があると言われています。
ここだけを見ると
「立体視が弱い=スポーツでは不利」
と思うかもしれません。
しかし、フィギュアスケートという競技を考えると
少し見方が変わってきます。
フィギュアスケートは「外を見る競技」ではない
例えば
- 野球
- サッカー
- テニス
などのボール競技では、
飛んでくる対象を正確に捉える視覚がとても重要です。
しかしフィギュアスケートは少し違います。
フィギュアでは、
外から物が飛んでくるわけではありません。
むしろ選手自身が
- 回転し
- 跳び
- 空中で姿勢をコントロールします
ジャンプ中は高速回転しているため、
視界は流れ
景色は安定して見えません。
つまりこの瞬間に頼っているのは、
目だけではないのです。
目以外にもある「空間を感じるセンサー」
人の身体には、視覚以外にも
空間を感じるセンサーがあります。
代表的なものは次の3つです。
前庭感覚(内耳)
回転や傾きを感じるセンサー
固有感覚(筋肉・関節)
身体の角度や力の入り方を感じる
足裏感覚
地面との接触や荷重を感じる
これらの情報を脳が統合して、
「今、自分の身体がどこにあるか」
という空間感覚を作っています。
ミエルラボではこれを
内的三次元(身体の内側の空間感覚)
と呼んでいます。
視覚の個性は「身体感覚」を育てる可能性がある
もし視覚に左右差や特徴がある場合、
脳はそれを補うように
他の感覚を使う可能性があります。
例えば
- 前庭感覚がより洗練される
- 体幹コントロールが高まる
- 身体イメージが明確になる
などです。
つまり、
外の三次元(視覚)
だけではなく
内の三次元(身体感覚)
が発達する可能性もあります。
もちろんこれは個人差があり、
すべての人に当てはまるわけではありません。
しかし、トップアスリートの身体感覚を見ると、
単なる視覚能力だけでは説明できない
高度な空間認知があることも事実です。
ペアスケートは「見る」より「一致する」競技
ペアスケートでは、
- タイミング
- 呼吸
- 張力
- 信頼
二人の身体感覚が一致することで
演技が成立します。
あの安定した動きは、
単に「目で合わせている」というより
身体感覚が一致している
ように感じられます。
そこには、
外の三次元だけではなく
内側の空間認知が関わっているのかもしれません。
目は「視力」だけの問題ではない
目というと、
- 視力
- ピント
- 近視や老眼
といったことだけを想像しがちです。
しかし実際には
視覚は脳や身体の使い方と深くつながっています。
視覚の個性は
- 神経の使い方
- 身体の使い方
- 空間の感じ方
にも影響します。
目は単なるカメラではなく、
身体の軸を決めるセンサーでもあるのです。
ミエルラボの視点|目の問題を全身から見る
ミエルラボでは、
視力や視界の問題を
目だけの問題とは考えていません。
例えば
- 近視
- 老眼
- 眼精疲労
- ドライアイ
こうした症状の背景には、
- 身体の使い方
- 神経の働き
- 姿勢や感覚のバランス
が関係していることもあります。
身体や脳の使い方が変わると、
視界の感じ方が変わることもあるのです。
目を「眼球」だけでなく、
身体全体のシステムとして見ること。
それがミエルラボのアプローチにないります。

コメント